黒電話と親友。
涙。

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裕二「ノブくん絶対にフランス行くの?」

「当たり前だよ!死んでも行ってやるぜ」

裕二「ヨッシャー!じゃあ明日作戦会議やろうぜ!先ずは人集めだな。ノブくんの親父さん、交通費出してくんネイだろう?」

「まぁっこれから帰って交渉だけど、多分出さね〜だろうなあ…」

裕二「ん〜そしたらカツアゲでいいじゃん」   

「だねっ!」

そんな感じで盛り上がってたらすっかり夜になっていた。

家に帰って布団に入ったはいいものの、ぜんぜ眠れない興奮状態。

頭の中で、たかーい帽子を被ったフランス料理の料理人が分厚い肉を焼き、その後ろで沢山の外人が動き回ってる風景が次から次へと浮かんでくる。

ヤバイ、眠れない…

すると電話が鳴った。

「はい、ノブくんちです」

裕二「あっ!ノブくん?」

「どうした裕二」

裕二「なあ、さっきの話マジか?本当に行くのか?なんかオレさ、自分のことのように興奮してるんだよ」

「俺も眠れない!」

裕二「それでさ~~….」

どれくらい話しただろうか…
明日の作戦会議で話したいことは、この電話であらかた話し終わってしまった。

裕二は俺以上に真剣に考えはじめていた。嬉しかった本当に嬉しかった。
何か目頭が熱くなっている。

ふと気がつくと、電話の横で聞いていないフリして、親父と母ちゃんが聞く耳を立てていた。

母ちゃんが小声で親父にたずねる。
「お父さん、ノブは何の話をしてるんだろうね」

親父は俺がフランスに行くと言い出した流れを母ちゃんに説明していた。「どうせ無理に決まっている」みたいな前提で。

煮えくりかえるこの想い!

心に決めた!

なにがなんでもフランス行く…

つづく

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