フランスって
歩いていける?

最近足代わりの俺のダックス君の調子が悪く、苛立ちながらやっと裕二の家に到着した。

「おっ裕二!俺、ちょっとフランス行って、天下取って来るわ」

裕二「なんだよ!そのフランスって、もしかして国?」

「そうだよ!世界地図持ってきたから一緒に探そうぜ」

裕二「えっ!?世界地図?
何でノブくんがそんなもん持ってんの?」

「裕二も持ってるよ!教科書だよ、教科書!」

裕二「教科書か〜オレ無いんだよ。兄貴に取られた」

「ど〜せ持ってても使わないじゃん。
俺も今日初めて世界地図見るんだけど、えーと、これどうやって見るんだ?」

裕二「ところで何しに行くの?フランスに」

「それがよ!聞いてくれよ」

裕二「…ちょっと待って!
ノブくん、何だその顔?ボコられたのか?
誰だ?誰にやられた?
行こうぜシメに!そっちが先だろう!相手誰だよ!」

「…っせいな!シメられたんだよ親父に」

裕二「..ノブくんの親父じゃ〜勝てないな。
オレの兄貴呼ぶか!?」

「そんなどうでもいいから聞いてくれよ!親父に殴られてたとき、テレビで大きな鉄板の上でうまそうなブ厚い肉を焼いててよ。
そんで親父が大事にしているブランデーみたいなやつを肉にぶっかけてファイヤーだぜ!
すっげえ炎が上がって、ブ厚い肉がそりゃもうヨダレ出るほど旨そうでよ。
焼いてる人が高~い帽子で、これがまたえらいかっこいいんだよ!」

裕二「ふーん」

「それで親父に聞いたんだよ。これナニ?って。
そしたらフランスっていう国の料理だって言われてよ。現在に至るだよ!」

裕二「へー」

「裕二!俺、フランス料理ってのを教わりに行くわ!フランスに!」

裕二「よっしゃーわかった!そういうことかぁ。
ノブくんに先越されたな。
見つけたんだな『先』を。わかった応援するぜ!」

「サンキュー!」

「さ~てドコだよフランス。…っつうか、俺らが今居るココは何ページ?」

裕二「待ってろ。何ページだろうな。ヤバイ!見つけ方がわからねー!」

「おいおい!裕二見ろ!これ日本じゃねいか?」

裕二「そんなちっこいわけね〜じゃん!」

「ほれ見てミイ!日本って書いてあるよ!」

裕二「え?日本ってこんなちっちゃいの!?
右側全部海じゃん!?」

「だよね~どうする?見つからんわ」

裕二「ノブくん、あったよーフランス!」

「どこ!?」

裕二「左左、いやいやもっと左!ここだよ」

「おお、あった!何だわりと近いな!」

裕二「やっぱノブくんは馬鹿だったねー」

「何それ!」

裕二「かなり遠いよフランス!何日もかかるよ!」

「ふっざけんなーよ!こっからココだろう?!
えーと、この間行った新宿は…あれ?ドコよ?裕二んちの前の道路はドコにあるんだ?」

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