ジビエ夜会

2009年12月8日の作品 『ジビエ夜会』美食の物語

Soirée de gibier Histoire de la gastronomie

『ジビエの夜会』美食の物語

今から約11年前、僕は本業の傍ら串焼き屋を改装もせずにお箸で食べれるフランス料理ビストロを営業してました。これはこれで楽しく近所のエプロン姿の主婦にワインを飲んでもらいたい一心で仕事したものです。

しかし、なぜか常連さんと世間話をしながらそろそろジビエの季節だね〜なんて話しているうちに盛り上がってしまい、ちょっとジビエの夜会でもやらない?先頭になって話していた常連のお客様は、なんとお寿司屋の女将さんです。もう普段は目利きの効いた魚をこれでもか〜と食べているので肉には目がない!しかも魚で鍛えた舌の鋭さ。もう彼女はお寿司屋やりたくてやりたくて大将と一緒になった人、どちらかというと大将の人間性よりも腕に惚れた感満載。さぁ〜そんな感じで夜会はスタートしました。

さて、「付け合わせはいらない!その分お肉を!」と皆んなに言われたので、口直し程度にマイクロトマトとマーシュだけを添えた。肉の一口一口にフォワグラのテリーヌで濃厚さを演出するために、一人1枚のテリーヌと赤ワインのみシャトー物を一人1本を大判振る舞い。多分皆さん飲む人ばかりなので足りないとは思っていたけど…

まずは、鴨の胸肉、コルベール(青首、雄の真鴨)は、皮目にしっかり味を付け、油をできる限り抜き、中はレアーで周りはカリカリに仕上げ、ライムを絞り岩塩と黒胡椒で食べる。

そして、鳩はピジョンラミエ(森バト)、胸肉以外を全てフォンを取るために使用し、ソースレジェを仕上げた。胸肉はゆっくりそのソースを使いながらブレゼした中は完璧にレアー。ソースから外し、皮目からでた油分でコンフィに。

鶉、ペルドロー(山ウズラ)は、慎重に一羽のままを転がしながら焼いた「強火の瞬間焼き」のようにし、グラスドビアンを上から軽く振るいながら味を整えた。

最後に骨付きのロースでやっと手に入った鹿は、シュルヴイユドエゾ(蝦夷鹿)「入らなかったらいいです。でも入ったら真っ先に連絡下さい」と注文をしておいた。日頃のみんなの行いの良さで入荷したロース肉を骨ごとローストして、たっぷりの赤ワインソースと黒胡椒で仕上げた絶品中の絶品。

ただ何度もいうように、ここは改装もしていない小上がりの串焼き屋だ。なので、他のお客様には分からないようにシャッターを閉めての夜会です。それでもみんな食べる事に必死になりながら黙々と食べて飲んで、贅沢な夜は続きました。

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください